産卵シーズン☆

2013年も、3月中旬から

 イワトビペンギン達の
産卵が始まりました☆

手前のペアは、スタッフが最も恐れているペア(めちゃくちゃ気が荒く、負傷者も
出ている)黒(オス)×ピンク(メス)の黒ピ夫妻。
ちょっとでも近づこうものならば、するどいクチバシが突き刺さってきます。

そしておとなり
 青(オス)×黄(メス)の
アオキ夫妻。
この2羽はおだやかなんですわ。
ただ、黄色ちゃんがもう高齢なのかもしれません。ちょっとおっとりしています。

そしてこちらも安定感抜群の
 白(オス)×ナシ(メス)ペアの
いわしろ夫妻。(旦那さん脚しか写ってないけど)


たまごポケット目撃!!
この写真を見ると、おなかの羽根がかぱっと割れていますよね。
この部分で、地肌で卵をあたためるのです。

ペンギンは「おなかの下でたまごをあたためる」ことにかわりはないのですが、
実際ペンギンの体の表面をさわると、ふんわりあったか~・・・くはないんですよ。

ペンギンの羽根はとても固く、水中を潜るとき、体温が水に奪われないように水と地肌が
触れないよう、防水の役割をしています。てろっとした、ひんやりしたさわり心地。

体温が水に奪われないように・・・というふうになっているということは、羽根が断熱材の
役割をしているわけで、ペンギンのおなかをさわってもあたたかくないんです。

となると卵は、地肌であたためなくてはいけない!羽根よ割れろ~~!!と、
親ペンギンが念じるかどうかはわかりませんが
繁殖期になるとペアを組んでいるペンギン達にはこのようにたまごポケットがみえてくるわけです。

繁殖期以外では、私はこのポケットを見たことがありません。
(正確には、「抱卵嚢(ほうらんのう)」というそうです)はじめてみたとき結構衝撃的でしたけどね。
ああやっぱり鳥肌なんだなあって・・・
もし羽根がぜんぶなくなっちゃったら鳥肌が(割愛)

さて、今年はこの例年の3ペアだけではありません!!
ついに・・・ついに・・・
 NEWペアの、
誕生です~!!!
ちなみにオスの翼バンドの色は白と黄色で、メスは黄色に白赤ピンクetc・・・なんですけど。
・・・カラフル夫妻ってことで!

このペア、オスはいわしろ夫妻のこどもで、メスは神奈川県の水族館で孵化して育って、
2010年10月にペア形成のためGAOに来てくれたのです!!

イワトビペンギンは通常一回の繁殖期に2個の卵を産みます。
1個目の卵を産んだ3~5日後に2個目の卵を産みます。
カラフル夫妻は4月4日に1個目の卵を産み、9日に2個目を産みました。
1個目を産んだあと、予定通りです。

実は昨年、このペア、1つ卵を産んでいました。
しかしすぐに割れてしまったようで、発見したときにはすでに割れてつぶれた状態でした。

黄カラフルちゃんは昨年初めての産卵でした。
はじめての産卵の卵というのはかたちが他の卵にくらべてちょっと違っていたり、
やわらかかったりすることが多いんです。

他の3組が一斉に卵を産んだのに対し、黄カラフルちゃんは産まず。
これはもしや・・・産卵なし??と思っていたのですが!!産んでくれましたよ~!!
オスとメスとでちゃんと卵あっため役の交代も確認されましたし、本当に
うれしい!

と、まあここまで順調だったのですが・・・

その後、黄カラフルちゃんの卵は2個とも割れた状態で発見されました。
だんなさんの白黄も、黄カラフルちゃんと交代でちゃんと卵をあっためていたんですけど・・・。

卵のカラが薄かったのか、栄養が足りなかったのか・・・詳しい原因はわかりません。
これまでの記録を見直し、そうなった可能性を探っていかなくてはいけません。

このペア、今は擬卵(にせもののつくりものの卵)を交代であたためています。

産卵して孵化しなかった卵を温め続けていたペアは孵化予定日を数日超えても
あたため続けるのですが、その後数日で巣を離れます。
それまでは交代で卵をあたため続けます。

自分達の卵が孵化しなかったとしても、飼育下では仮親として活躍してもらう
ケースもあります。
他のペアで2羽のヒナが生まれた場合、2羽とも同じ度合で成長していけばいいのですが、
大きさにあまりにも差が生じてきた場合どちらかを他のペアに預けて育ててもらうという方法があります。
もちろん自然下の場合、そんなことはないんですけどね。
人の手で育てるという方法ももちろんありますが、ペンギンとして生まれてきたのであれば
ペンギンのもとで育ってほしい。。
どうすれば、命をつないでいけるのか。
その種として生まれた命がその種のもとで育っていけるかと考えることは
その種の自然下の生態、飼育下における経歴等なんでも把握しなくてはいけません。

現在、ペンギンの展示場には6個の卵が親ペンギンたちのおなかの下で
あたためられています。

どうか今年も、新しい命が生まれますように!

月別で記事をみる