ぶりこのふしぎ

12月ももうすぐ終わりですね。

今年のハタハタ漁ももう終わりかなと、ハタハタの加工食品を
作っている業者さんが言っていましたよ。

昨日(28日)まで、GAOでは
 ハタハタの
魚っ知(注:ウオッチ と読む)イベントを行っておりました!

11月下旬から12月にかけて、秋田県の沿岸に押し寄せるハタハタは
卵「ブリコ」を持ったメスとオスで群れになってやってきます。

卵を持ったメスは
 このように
お腹がパンパンです。

このとき漁獲されるのが今しかとれない「季節ハタハタ」。
秋田県の沿岸にある藻場を産卵の場所にと毎年冬にやってきます。

今回はハタハタの卵「ブリコ」にスポットを当ててみたとのこと!

その前に、忘れちゃならないのが
 「ハタハタ禁漁」の
時代ですね。
このハタハタ禁漁からの資源回復については、最近よくテレビ等でとりあげられている気がします。

生活がかかっている地元の漁師さんたちが、ハタハタの漁を3年間もしてはならないということに
賛同し、協力した結果資源が回復したと簡単に文で表せば
3年なんてたいしたことないじゃないと思われるかもしれませんが
その3年間も人は生活しなくてはいけませんから
それを生業にしている方々は相当な想いだったんだと思います。

結果現在は、3年間の禁漁時代があってこそ
ハタハタを獲ることができるようになったんですよね。

今ニュースでは、マグロ類の数が減少とのことで
国際的に問題になっていますね。
「日本でマグロが食べられなくなる」わけではありませんが
「獲ってもいい量」に対する関心が高まったのは事実です。

というと必然的に出てくるのはウナギの話。
ウナギに関して、個人的にはある程度身近な食べ物だったのですが
実際は自然界における生態というのは謎が多い生き物なんですよね。
養殖されてる、とは言っても実は小さいころのウナギを自然からとってきて
そこから大きくしていくという、自然から獲ってくることと同じことで
食べるまでの時期が異なっているだけです。

ハタハタの絶滅の可能性があると
国際的に指摘され、制限される前に、
自国の、というか自分の県の大切な魚を
県民で守ったことは
とても大切で、ものすごいことなのではないでしょうか。

話がそれてしまいましたが。
ハタハタは本来海の深いところにいるのですが
産卵の場は比較的浅いところのある、海藻が生い茂った「藻場」。

浅いところで産卵するので、波打ち際に寄せられることもあるのですが・・・

 これ!!

 これほどの
ブリコが打ち上げられることがあるんです。
本来であれば海藻にからまった、固定された状態になるのですが
外れてしまったり海藻が切れてしまったりで
このように打ちあがってしまうこともあります。

ちょっと離れたとこからだと

 ものすごいことに
なってます。
打ち上げられちゃったら、もうダメなんじゃないの?と思われるかもしれませんが
そこがブリコのすごいとこ。

ブリコは打ち上げられても数日は大丈夫!
このあと波が押し寄せて海に戻されることもあるし
このブリコを拾い、県の水産振興センターでは卵からハタハタを孵化させて
再び海へ戻すこともしているんです。
あ、念のため言っておきますが。勝手に持って帰っちゃだめですよ。
現在では資源保護のため規制されております。

それではハタハタクイズ。
メスのハタハタが産むブリコの塊はゴルフボールほどなんですが
その中に卵は
 いくつ
あるでしょ~か。

正解は
 なんと
約2600粒!

ちなみに

 こちらが
そのブリコ。
この写真、かなりカラフルですよね~。

ブリコはこのようにいろいろな色があります。
もちろんどのブリコからもハタハタは生まれるのですが・・・
色が異なる原因はまだわかっていないんだとか。

最後は
 実際に
ブリコを触ってもらいました。
「うわ~硬い!」という声が上がっていましたが
産みだされて海水に触れたブリコは本当にばりっばりに固くなります。

今年はもうハタハタの漁は終盤とのこと。
また来年、ハタハタの大群が秋田の海に帰ってきてくれることを
願います。 

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