報告 6月3日クジラ類迷入

男鹿沖には
イルカがいるって
あまりメジャーになってないかもしれませんが

いるんですね~。
春から夏にかけて、「カマイルカ」という種類のイルカの目撃例が
多くなってきます。
かつ、死んでしまった状態での漂着例も多くなってきます。

漁師さんの話だと、ちょっと沖に出ると群れがいるなんて話を
よく聞きますし、これまでもGAOから見えるところで
ジャンプしていたりなんかも。

ニュースや新聞で見た方もいらっしゃるかもしれませんが
6月3日、男鹿市内で「イルカが港に入ってきている」という連絡を
いただきました。

「ちょうど時期だし、カマイルカかな~」なんて
思って、もらった写真を見たら

「?!」
わからない!実際みたことない!!
「これかな?」程度のものはいるが、確信もてない!!

てなわけで、見に行きました。

 少なくとも

これまで、海では

 見たこと
ありません。

クジラの仲間(イルカも「クジラの仲間」)であることは
間違いないのですが、まあカマイルカではない。
と思って写真探しましたが
生きてるカマイルカの写真がない。漂着した状態のものならあるんだけど。

カマイルカはその名のとおり、背ビレが鎌のように
そりかえっているのが特徴です。
また、大きさも2m程度で、背側は黒味がかかっており
海面から背中側を出した場合、比較的わかりやすい種です。

今回のは見たところおおきさ3メートル程度はありそうですし
何と言っても頭が丸い。
背中側がグレー。


吻の先が伸びていないんです。

「ハナゴンドウ」かな?

GAOが開館して今年で14年ですが、男鹿では、というか
海に泳いでいる姿は初めてお目にかかります。

もちろんクジラの仲間です。
形だけですが

イルカとクジラの中間、て感じしませんか?

中間、なんて言い方しましたが・・・
そうそう、イルカとクジラの違いってなんだろう?
実はざっくり「大きさ」でしかありません。区切りは3~4メートル
前後のようです。
分類学上、イルカは「クジラ類」の中に分類されるもので
比較的小型な種類の名前が「なんとかイルカ」です。
なので、分類学的に言うと、ぜーんぶ「クジラ」なんです。

背中にあるひっかき傷(?)のような模様は
ハナゴンドウには一般的にみられるものです。他の個体とぶつかったり
他の個体の歯でできたりするそうです。
ハナゴンドウは他のクジラ類よりもあとが残りやすいという
説もあるようで、この白い跡が異常、というわけではなさそうです。

ネコも甘噛みするもんな・・・。

 海水も
濁り気味で、全身をとらえることができなかったのですが・・・

他の水族館の方や、専門の方にも見てもらい
「ハナゴンドウで間違いない」と確認してもらいました。

教えてもらったところ、過去に男鹿での目撃例があるそうですが
基本的に神経質な動物なので港のような、人目のつく方に入り込むのは
珍しいとのことです。

弱ってしまってるのだろうか。

にしても大型の動物です。
ただ浮いている、というわけではなく自力で泳いでいますし、
姿勢も保てています。
船を出しても、積極的に出ていこうとはしなかったようで・・・
ひとまず、そっと見守るしか今はできないかなということで
その場を離れました。

結局、その日の夜のうちに
港から出ていったようで、以降目撃例はありませんでした。

ここが、ただちょっと寄ってみました的なスポットだったら
いいのですが。
今もどこかを悠々と泳いでいてくれればいいですね。

もし、海でイルカやクジラ、他にも
アザラシといった普段みかけない動物を見つけた場合は
騒がず近づかず、離れたところから刺激せずに
見守りましょう。

弱っている場合もありますが、身を守るために
力を振り絞って向かってくる場合もあります。
死んでいたとしても、死因がわからない場合は
危険な場合もありますので、素手では絶対に触らないようにしてください。

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