出張報告 DAY2-2

気がつけば
ちょうど一か月前

 いたんだよね・・・。

間があいてしまいましたが、小笠原出張報告第3回です。
前回はこちら

さて、父島に到着しまして
お邪魔したのは


小笠原海洋センターです。

そうです。

2016年12月4日、男鹿の海で保護された

 アオウミガメの
出発地です。

詳しくはこちら

小笠原海洋センターではアオウミガメの保全活動を始め、展示、調査研究、
教育啓蒙活動など、幅広い分野を担っています。

そもそもなぜこのアオウミガメがここから放流されたのか?

アオウミガメは実は世界的にも個体数が減少しており、国際的に
保護されている生き物なんです。

よくテレビなどで紹介されていますが、アオウミガメの繫殖は
オスとメスが交尾した後、メスが砂浜に上がって砂を掘り、卵を
産みます。
孵化したアオウミガメは自力で砂から出て、海を目指すのですが
自然界で孵化したアオウミガメが成長できる確率というのは
ひじょ~~~に低いと言われています。

海に辿りつくまでに、砂浜で捕食者に捕まるか
海にたどり着いてもさらに捕食者に捕まってしまうか

そこで、小笠原海洋センターでは孵化した個体をある程度の大きさまで
育て、放流します。そうすることで、捕食される確率を減らすことができます。

この話を聞いて、ああそういえば
秋田県魚ハタハタも
資源を守るためにと
稚魚を孵化させて、育てて放流したりしていたんだよなあと
(ハタハタだけじゃないけど)
ふと思ったりしました。

 ちいさな
アオウミガメがわらわらですよ!

ここで面白いことを教えてもらいました。
まだ小さなアオウミガメは
 こうして
前のヒレを甲羅の上にきゅっとのせてぷかぷか浮いて休むと・・・

そういえば・・・なんでだ?!
GAOのアオウミガメは休む時いっつも沈んで
(大丈夫ですか?!なんて通報受けるくらいにじっとして)
寝ているのに・・・・・

どういうタイミングで
「あ、沈んで寝よ」って思うんでしょうね。

このアオウミガメたちも、そのうち海へ旅立つんだとか。

その旅立ちの場所を見せてもらいました。


右の方に、自分たちの乗ってきた「おがさわら丸」が見えます。
2015年7月、ここからあのアオウミガメは出発したんですね。
なんだか感慨深いものがありました。

ちなみに、ここでのお話は
6月24日からの企画展示室内に詳しく紹介しておりますので
ご来館いただければと思います。

もちろん
 主役は
元気ですよ。

この日の夜、
 小笠原の
おいしい料理をごちそうになりまして~

 あれっ
タバスコじゃないの?
オガスコって書いてあるけど・・・(よく見ると「ホットレモンソース」です)

これビールがすすみますね~なんて
お世話になりまして

 てくてく
歩いて帰っていたら
「あ、アオウミガメが来てるかもしれませんよ」

ということで、連れていってもらいました。

とーぜん暗いんですが
よく見ると
 こちら
これ、アオウミガメが這ったあとなんですって!

この時期、5月~8月はアオウミガメの産卵シーズン。
小笠原諸島は国内最大のアオウミガメの産卵地で、キャタピラのような
あとがいくつも砂浜に残されています。

実はこの先をたどると・・・

1頭の大きなアオウミガメが、ざっしゅざっしゅと
砂を掘っていたんです。

もしやここから産卵が見れちゃうのか?!と思っていたのですが

「砂を掘ってから産卵まで、早くて2時間以上かかる」

とのことでした。

その場所が気に入ればいいねと思いながら
その場を離れました。

まず思ったのが

「本当に砂浜に上がってくるんだ・・・」

だって居酒屋からほんのちょっと歩いたところなんですよ。

ちなみに

 ←昼間の様子。
日中、産卵を控えたアオウミガメが
ぽこっと顔を出して砂浜の様子をうかがっているときもあるとか。
「暗くなったらあそこから上陸しよ」とか狙ってるんでしょうか。

実際、砂をかき出しているアオウミガメの姿と
アオウミガメの息の音を聞けたことに
感動もしましたが

人が生活しているところと
アオウミガメが命をつなごうとしている場所が
隣接していることがとても不思議でした。

ここで暮らしている人にとっては、特になんということはなくて
この時期になるとアオウミガメが繁殖の時期を迎える、という
ことなんですね。

ちなみに、じ~っと観察していたら
お酒にいくぶんか酔っぱらってる知らないおじさんが(いつの間にか)仲間に
加わっており
かなり千鳥足で大丈夫なのかと心配していたら

「大丈夫。そのへんで寝てても、凍死したりとかしないから。」
だそうです。

南国あるあるかな?

あ、自分はしっかり帰りましたからね。。

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