ブリコの色

昨年の12月、ハタハタの人工授精を行いました。

GAOでは通年ハタハタの展示をしていますが、生体は冬しか
入りません。継続的に飼育展示をするため、
ハタハタが接岸する12月に人工授精をして育てています。

また、ここ数年3月にはハタハタの稚魚の放流もしていますので
無事孵化してくれたら大変は海へ放流する予定です。

今回の人工授精したハタハタの卵「ブリコ」ですが・・・

順調に

発眼(卵内で発生が進んで目が見えてくる)が確認されました!
とはいってもこれは10日前の写真ですので、現在はもっと
魚っぽい形になっていると思われます。

さて、ハタハタの卵「ブリコ」ですが
ご存知の方は、何色を思い浮かべますか?

写真の赤茶色っぽい部分は「卵黄のう」といって、栄養が入っている
部分です。卵の中にいる間の仔魚(しぎょ)はこの卵黄のうから栄養を
とります。

これはサクラマスの仔魚です。孵化したあとも卵黄のうがついていて、
口がちゃんとできて自分でエサを食べられるようになる数日間、この卵黄のうから
栄養を吸収します。

ハタハタの場合、孵化した後このような大きな卵黄のうは
ついていません。比較的早い段階で口ができ、口からエサを食べられるように
なります。

さて、ブリコの色ですが・・・

大半は、赤茶系の色が多いようです。

しかし中には

ヒスイ色?!といいますか、こんなグリーン系の色のブリコも
あるんです!

この色、たま~に見たことがあるのですが、この色のブリコの中で
発生が進んで仔魚が孵化することは、自分は見たことがありませんでした。

しかし今回、

発生が進んでいる緑ブリコがあるんです!

同じ魚なのになんで色が違うの?と不思議でしたが・・・

担当者いわく、「おそらくだけど、食べているものだと思う」とのこと。

これは当館での飼育下での話ですが、オキアミ(甲殻類)を食べている
ハタハタが生むのは赤系のブリコ。

しかし人工のエサ、配合飼料を食べているハタハタが生むのは
緑のブリコなんだそうです・・・。

両者の栄養素を詳細に調べたわけではありませんが、明白に
分かれているので、食べているものに影響していると考えられます。

孵化は2月の1週目あたりではとのこと。
卵の色が孵化する仔魚に現れるのか、楽しみです。

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