お知らせ

6月中旬に、ジェンツーペンギンのヒナが5羽孵化したことをお知らせしましたが
6月30日までに2羽のヒナが天国へ旅立ちました。

今回死んでしまったヒナはどちらもアオキ夫妻の雛です。
6月28日に1羽が、30日にもう1羽が天国へ旅立ちました。

 卵をあたためるキイロちゃん。
アオキ夫妻は去年、おととしとそれぞれ2羽ずつ、この2年で合計4羽のヒナを育て上げた
ペアです。
今年も2羽のヒナが孵化し、大丈夫かなあと見守っていたのですが、2羽のヒナの
体重が少しずつ開き、片方のヒナの体重の増加が止まりました。
体重が開いてきた、それにこれまでのヒナの成長と比べるとどうも遅い。
ヒナの体重が軽いように感じられていたのです。

体重が減った翌日にもう一度測って体重を見て、対処しようと思っていた矢先に
片方のヒナは死んでしまいました。
このとき私は朝ヒナが生きているのを見て、その1時間後に見ると死んでいた状況でした。

その後解剖してみると、臓器の一部(胆嚢という場所)がやぶれているのが見つかり、また、
体もやせていました。
朝いちばんにもっとよく見ておけばよかったと悔やんでも悔やんでも・・・。もう戻れません。

もう1羽のヒナについてはあまり体重の増加が見られず、人が補助的に給餌をすることに
しました。

元気に餌を食べており、人がエサをあげた後に親にもどしたのですがその翌日の朝、
親のおなかの下で死んでいました。
解剖してみると、腸に穴が開いており、そこから糞が外に出ていました。
体内で内臓が一部腐敗しており、それが原因と考えられます。

解剖した結果、死因と考えられる可能性のあるものはいくつかあげられたのですが
果たしてそうなった原因は一体なんだったのか。

また、2年連続で子育てをしているペアが今年はなぜそうなったのか。

 アオキ夫妻は
今までとは違うところに巣をつくり、水際だったので、なるべく違う場所に巣をつくってもらおうと
したのですがどうしてもここが良いらしく、そこに巣を作れるようにしました。
卵やヒナが落ちるといけないという考えから壁を無理やりつけました。

今思えばそれもあまり良くなかったのかなあ…と考えます。
壁をつけたことで光があまり当たらないとか、壁を気にして子育てに
集中できなかったのか…

また、アオキ夫妻はこれまでに2羽のヒナを同時に育てているのだからと
甘い考えを持っていたことも確かです。

今後もあとからあとからああすればこうすればは出てくるでしょう。
出さないと、進歩はあり得ません。

後悔先に立たず。
この言葉は本当にすごい言葉ですね。つらく重たい言葉です。
まさに的確な言葉です。

このようなことをもう2度と繰り返さないように、このとき思ったことや
考えたことを忘れないこと、残していくこと。そして次は同じようなことを
2度と起こさないこと。

生物達がどうなるかは、水族館のスタッフ次第なんですから。

ああすればよかったこうすればよかった・・・。。
と思う目の前に、
現在、展示場には2組のペアがまだ子育てをしており、合計3羽のヒナがいるのです。

現在の3羽のヒナ達も、決して安心できる状況ではなくて。

 写真のアカオ夫妻。
昨年1羽のヒナ(パプリカ)を立派に育て上げたのですが、今年は2羽のヒナを育てています。
一度に2羽育てるのはもちろん今回が初めて。

以前、アオキ夫妻がはじめての2羽子育てのとき、2羽のヒナの体重の差が開いてしまい、
人が補助的に餌をあげたり、大きなヒナを親から一時的に取り上げたりしました。
その結果、2羽のヒナは無事親元から巣立ちました。それがハム・カツです。

現在のところ、2羽のヒナはアカオ夫妻のもとで育っていますが、決して油断はできないなあと…。

そして今年初ペアの
 カツムラ夫妻。
現在1羽のヒナを育てています。
旦那のカツは先ほどもちらっと出てきましたが、アオキ夫妻のはじめての子供!
2年前に誕生したのですが、めでたく今年ムラサキちゃんとペアになりました。
今年ヒナが育てば、GAO初2世ということに・・・。

しかしこのヒナ。こちらも体重の増加が見られない。
6月29日夕方、獣医に聴診器で診てもらうと、肺に雑音があるとのこと。
呼吸も他のヒナたちにくらべると少しおかしく、ぜ~ぜ~と、体で息をしているような
呼吸でした。他のヒナたちと比べると元気がないように見える。。

治療といっても、体重80グラムほどしかない小さなヒナです。
薬を出してもらい、シリンジ(針のない注射器)でそっと飲ませました。

次の日から少しずつよくなってきたのか、動き回るようになり、呼吸の音も落ち着きつつあるとのこと。
人がエサをあげるときも、よく動き回るようになりました。
前日よりも大きな鳴き声を聞かせてくれました。

今日(7月1日)も、朝このヒナに薬とエサを与えました。
人がエサをあげているのは薬と一緒に朝・夜の2回。
それ以外にも、親からエサをもらえているのかが心配なんですが・・・。このヒナは親ペンギンに
エサをねだり、親ペンギンも頑張ってヒナにエサをあげているようです。

2組のペアとも、ヒナはまだ小さく、安心していいとは言えません。
2羽のヒナが死んだことは非常につらいことですが、今、3羽のヒナが一生懸命
生きようとしています。

どうか元気に大きくなってくれますように!!!

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