いってらっしゃいませ。

正直言って、

ここ数日、朝方に見る夢が

「2頭どっちかが到着していない」という
夢でした。

寝ざめが悪いったりゃありゃしません。

なので、
DSCF2127 神様

DSCF2140 お願い!の、
旅行安全お守りを、無理言ってつけてもらいました。

2月4日早朝、予定通りゴマフアザラシの
IMG_5921 ここ姫と

IMG_5983 ゴハン王子
男鹿水族館を出発しました。

移動用ケージに移す際はもちろん
「ぷごーっ!!」とか言われましたが

IMG_6026 こちら
ここ姫様、

IMG_6098 一旦
落ち着いてしまうと、まあなんておしとやかなんでしょう。
さすが姫様。お若いのに立派でございます。
IMG_6026
いってらっしゃいませ。
わたくし、遠くこの地から貴女様の活躍を願っております。
デビューの暁には、会いにいきますからね。

一方
IMG_6122 ゴハン王子は

IMG_6144 途中まで
IMG_6140 お供の者が
お送りさせていただきます。

DSCF2145
いってらっしゃいませ。
わたくし、遠くこの地から貴方様の活躍を願っております。
デビューの暁には、会いにいきますからね。

ちなみに、秋田空港は
IMG_6156 雪も溶けて
曇り空。おだやかな旅立ちとなりました。

IMG_6150 なんと
専用個室!よかったですね王子。
この時ついて行ったスタッフによると、王子は作業中は隙間から
様子を見ていて、終わるとふつーに落ち着いていたそうです。
・・・大物・・・。

改めて、王子、姫様、いってらっしゃいませ。

・・・どっちも気が強いからなあ・・・
あんまり、迷惑かけないようにしてくださいね・・・。

2頭が一度にいなくなるのが
悲しくないといえばそれは嘘ですが
当然ながら、これが今生の別れになるわけではないわけですから。

現在GAOには出産を控えた3頭がいます。
(「移動のお知らせ」)

ここ姫とゴハン王子の行く先には、将来のお相手の候補もいらっしゃるとか。

動物園水族館の生き物の繫殖というのは、1施設で成立するものではありません。
こことゴハンはGAOで生まれました。父親となるオスはGAOでは
ゴクウ1頭です。
当然ですが、2頭は血がつながっています。
ゴマフアザラシは子育ての期間が終了すれば、母子の意識というのものは
ありません。オスは子育てには全く関与しないので、我が子云々の
意識も関係もありません。

飼育下において、限られた環境の中で
繫殖し、代々その血統がつながっていくことで
「水族館」という場所においてその生き物の存在を学ぶことが
できているのです。
存在以外にも、そこから学ぶことは計り知れないですが。

マリーやみずきは今は男鹿水族館のゴマフアザラシですが
もっと大きな視点で見ると
国内の動物園水族館のゴマフアザラシ なのです。
野生下の生き物ではなく、日本の飼育下のゴマフアザラシなのです。

人が何かしらの手段をとらないと
飼育されているその種の未来はありません。
というか、人が飼育しているということは
人がその生き物の未来を握っているのです。
ひとつの動きが、その後の生き物の将来を左右するのです。
それはすぐに結果の見えないことなので
難しいことだと常々感じています。

今回の移動が
国内の動物園水族館におけるゴマフアザラシの命をつないでいくための
ゆくゆくは世界の歯車になるかどうかは
今後の動きにもかかっていますが
新たな一歩になっていることは
間違いないと思います。

「神奈川に来たら、会いにいきます!」というコメントが
いくつもよせられていることにも驚きましたね。

秋田県にある水族館の生き物のことを
遠く神奈川から見守ってくれている方がいるなんて
情報技術の進歩に感謝しないといけませんね。

こうして、離れている水族館を
技術がつないでくれることで
個々の水族館にいる生き物として見てもらうのではなく
「ゴマフアザラシのここ」「ゴマフアザラシのゴハン」を
見守ってもらえるのですから。

国内にいる生き物の将来未来を考えるということに関しては
距離的問題なんて大したことじゃないんだと思います。
そういう意識を、浸透させていくことも
動物園水族館の役目なんだと思います。

まずは2頭が無事出発できたことをうれしく思います。
到着後はしばらく裏側のスペースにいるそうです。
デビューしたら、会いにいきますからね~!!

※4日夜、2頭とも無事に到着したとの連絡をいただきました!
ご協力いただいた方、本当にありがとうございました。

動画アップしました↓
1月29 日、2頭出発前に行われたスタッフのお話会の様子はこちら

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