今シーズン第一弾

最近、いつみても
 茶色い
クルミ様。

の展示場に、

 白い
ホッキョクグマ豪太。

今日21日午前、今季第一回目のホッキョクグマ「同居」を行いました~。

ホッキョクグマの交尾時期は春の初めころと言われています。
GAOではその時期になると、オスの豪太がふがふがしたり
いつもはちゃんと裏の部屋に入ってくれるのに入ってこなかったりと
発情かな?の兆候が見られてきます。
その時期のにおいというのも独特で、作業に入った時に
「ん?」というにおいが出てくる時期です。(これらがホッキョクグマの
発情の兆候と裏づけられているかどうかはわかりませんけど)

GAOでは基本、交尾する時期以外は2頭を別々の展示場で
飼育しています。状況次第で2頭を会わせるという方法をとっています。

最近なかなか裏の部屋に入ってこなかったりだったので
これはそろそろかなということになり
同居させてみました。

その年の最初の同居というのは
いきなりケンカが始まったらどうしようと
いつも不安なのですが

 その雰囲気は
なさそうだな~と。

それにしても・・・

 この
色の違いは・・・。

 「ほら
黒くなってるほうがクルミちゃんだよ。」

 「そっか
くろみちゃ~ん」(ある親子の会話)

違います。

万が一、闘争が始まったら
2頭を引き離すためにと爆竹(驚かせてまずは引き離すため)も
持っていたんですが

 出番は
なさそうです。

クルミが来た年の、2011年6月。
来てまもなく、2頭を会わせてみた時期があります。

同居させてみたものの
2頭の雰囲気的にもあまりよくなく、(今思えば会わせるべき時期では
なかったのかもしれませんが)2頭を離そうとしたときに
豪太が閉まろうとする扉を体で跳ね返し、クルミをがーっと追いかけ、
四角になっているところへ2頭が一気に入ってしまったことがあります。

そのとき自分は何かあった時に扉を閉めて2頭を引き離せる場所を
担当していたのですが、走っていく2頭の後ろ姿を
あっけにとられて見ているだけでした。
このときの風景は忘れられません。

豪太の方が体格が良いのは明らかだったので、見えない場所か
吠えあう声が聞こえ、正直
「終わった・・・」(=闘争が起きて何等かの事故を起こしてしまった)
とまで思いました。
見に行けよ!と今なら思いますが
足が動きませんでした。

と、豪太だけが出てきたので扉を閉め、2頭を離すことには
できましたがクルミの安否がわかりません。

するとクルミがふつうに顔を出してくれ、2頭の無事は
確認できたことにほっとしたのですが・・・

自分の予測不足に猛省しました。

たぶん大丈夫だろうと、すぐに動ける姿勢になってもおらず
基本的に「待ち」の立場だと思っていたので私語もしてましたし
指示があったら扉動かせばいいんでしょ程度に思っていました。

でも、「待ち」の立場だからってなにもしなくていいわけじゃないでしょ。
GOサインを待っているってだけで、その合図がきたら
やらなきゃいけないことがあるでしょ。
だったら、与えられた役割以上の成果を出せる準備くらい
しておきなさいよ。
と、あのときの自分に言ってやりたいです。

そのシーズンの同居は2頭のそんな感じから終了宣言をし
次の春、本格的な発情期に再度同居をしたとき
自分は同じ場所を再度担当することになります。

どんな指示が来ても、来たら同時に動けるくらいの心持で
待っていましたが
全く連絡が来ません。

(自分)「どんな感じですか?」

「うん・・・なんか、じゃれあってる」

「・・・」

「上に来て、見に来て大丈夫です」

と言われて見に行って、2頭がじゃれて遊んでいるときは
全身から気が抜けたのと同時に
2頭のホッキョクグマが楽しそうに遊んでいる風景を初めてみた
うれしさがこみあげてきたのは忘れられません。
で、その時の交尾で繁殖があったわけです。

長々と思い出話しちゃいましたが、
今回の当の2頭は

 私、
ここで寝るから。
昼寝タイム。

適度に
 スキンシップ。

 突如訪れる

 バトルタイム。


ですがこのあと、すぐに収束します。

初日は以上で終了。
2頭とも発情が高まっている様子も見られず
別々に動いていたので離しました。
交尾行動はありませんでした。

今後も様子を見ながら2頭を同居させていきます。

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