ちょっと目が

日本の中でも、秋田県と山形県の一部でしか確認されていない
淡水魚「トミヨ属雄物型」が無事繁殖しました。

こちらが孵化したばかりのトミヨ属雄物型。
まだお腹に栄養の詰まった袋を持っていますね。

トミヨ属雄物型なんて、変わった名前ですよね。

トミヨという淡水魚も存在しているのですが、
分類上「トゲウオ科トミヨ属」に属している魚の総称でも
あるのです。

形態が非常によく似た種が色々なところに生息しており、
外見上は同じに見えてもよくよく調べると体の細かい
部分が異なっていたり、単なる地域差ではなく
実はDNAが異なるから別の種だということになったりと、
この淡水魚、なかなか分類が難しいのです。
ですので、「雄物型」という名前がついています。
もしかしたら今後、別の名前になる可能性もありますね。

また、きれいな淡水にしか生息していないため
この雄物型を始め、国内のトミヨ属の淡水魚は姿を
消しつつあると言われています。

GAOでは数年前から、このトミヨ属雄物型の生息している
地域の方々や小学校から協力をいただき、飼育展示と繁殖を
試みています。

実はこの魚、魚なのに

巣を作るんです。
これが水草で作られた巣です。真ん中に穴がありますよね。

親魚は体長6センチほどです。オスが水草で巣を作り、
巣の中にメスが卵を産みます。

巣の中を見てみると

なんと稚魚いました!

別の巣の中には

卵がありました。しかもけっこう多いです。

よく見ると黒い点々が・・・

目ができているようです。

このままにしておくと食べられたり、孵化する前に
発生が止まってしまう可能性もあるので取り上げました。

その後も発生は順調に進み

孵化に至りました。

自然下では数が少なくなっているトミヨ属雄物型。
ゆくゆくは、本来生息していた場所で
当たり前のように見られるようにしたいですね。

ちなみに、親魚の姿ですが

こちらです。

過去にも、繁殖の記事を掲載していますので
見たことある方もいらっしゃると思いますが

いつも思う。

自分が撮るのって

こんな目なんだけど・・・

みんなこうなのかな。

※このサイト内の画像の無断転用・転載を禁じます。

月別で記事をみる