きゅー ピー ペア

今日、朝いちで
とってもうれしいことがありました。

それは・・・

イワトビペンギンの

 ピーちゃん(オス)×
きゅーちゃん(9番だから 今決めましたメス)ペア、産卵!!
(埋もれてるのでわかりにくいですが真ん中に見える白いのが卵)

ピーちゃん。覚えてくれている方、いますか??

このピーちゃんは2010年、GAOで生まれたのですが
親ペンギンが育てたのではなく、人の手で育てられたんです。

通常、イワトビペンギンは2個の卵を産みます。
1個目と2個目の卵の大きさは異なっており、2個目の卵のほうが大きいです。

となると、1個目の卵から孵化したヒナと
2個目の卵から孵化したヒナの体重に差が出てきます。

自然界では1羽のヒナのみ成育することが多いようで、2羽とも無事巣立つことは
少ないようです。

ピーちゃんは1個目の卵から孵化しました。
2個目の卵からもヒナが孵化し、最初は親元に2羽ともいたのですが
最初から大きかったヒナのほうがどんどん大きくなっていき、一方でピーちゃんの体重が
なかなか増えなかったことから、孵化して5日経ったころ、親から離し、人の手で
育てることにしました。

 そのときのピーちゃん。
GAOのスタッフ、ペンギンを育てるのは初めて。
まずはエサをちゃんと食べてくれるかがとにかく心配でしたが・・・

 先の太い注射器から
エサをのみこめるようになりました!
エサは、魚や栄養剤を入れてミキサーした流動食のようなもの。

ペンギンのヒナは、親が一度食べたエサを口移しでもらいます。

 (参考資料 ジェンツーさん)

指を親のクチバシがわりにし、くちばしを指で軽くはさむようにして刺激すると
ピーちゃんは自ら首を伸ばし、クチバシを開けるようになりました! 

こうなってくると

 注射器じゃ
たりないの!!
てかんじで、エサのかたまり丸のみ。。
クチバシの両端をかるく刺激するだけで、自ら食べてくれるようになりました。

 おなかすいた~。。
と、ぐんぐん育つピーちゃん。

実は一度、展示場のそばの部屋に引っ越したとき、体調を崩したことがありました。
正直このときはもうどうなるかと・・・。。

薬をエサに混ぜたところ次第に回復。
ピーちゃんは次第に元気になって
 ずんぐりむっくり
大きくなりました!

そして無事展示場にデビューし
 青とオレンジの
バンドをもらいました☆

実はピーちゃんのお相手、キューちゃんは2009年12月に
神奈川県の京急油壺マリンパークから「お嫁入り」してくれたイワトビペンギンなんです!!
今回めでたく、ピーちゃんとペアになったというわけですね☆

このように、繁殖を目的とした「動物の交換」はペンギンのみではなく他の動物でも
さかんに行われています。移動した動物が移動先の相手とペアを組み、子供が
産まれるということは、新しい血統の誕生ということでとってもとってもすごいことなんです!

イワトビペンギンは通常2個の卵を産みます。
1個目を産んで3~5日経過し、2個目の卵を産みます。
どうか無事、2個目の卵も無事産まれますように・・・

頑張れキューピーペア!!

不安があります。
人の手が育てたイワトビペンギンが、子育てに参加できるのか。

ピーちゃんを「人の手で育てる!」と決めたときは
「ピーちゃんが無事大きくなる」ことで一杯でした。

ピーちゃんが無事大きくなり、展示場に出て少ししたとき
「これでよかったのかな?」
ってなりました。

果たしてピーちゃんはこの後、イワトビペンギンとして
生きて命を繋いでいくことができるのか。
相手を見つけて、ペアになって、ともに子を育てることが
できるのか。

ペンギンだったら、ペンギンとして生きるべきで
ペンギンの元で生まれたのならばペンギンに育てられるのが
当り前なわけで
孵化後数日で親から完全に切り離すのではなく
2羽でも親元で育つ方法を考えるぺきだったなあと
巣立つときは親元から巣立たせるべきだったと
そのための環境を整えることが優先だったと
そのあと思いました。

親元から完全に切り離して100パーセント人の手である程度まで育てることは
もっと最終の手段であるべきだったなあと・・・

後から思えば、もう1羽の大きなヒナをちょっと取り上げて
ピーちゃんにその時間は優先的にエサがまわるようにするとか

そのとき子育てしているペアが他にもいたから(この年は3組で4羽生まれていました)
3組のペアで4羽のヒナを育てるようローテーションでうまく回せることもできたんじゃないかとか
(ヒナが小さいころなら途中でヒナを交換しても親はそのまま育てます)

「ピーちゃんの人工保育」は、そんなことを考えるきっかけをくれたのでした。

どうかこのペアから新しい命が生まれ、
この2羽が「親」になることができますように!!

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